法律相談 Q&A 「住宅情報STYLE関西版」2004年7月7日号より
「住宅情報STYLE関西版」(現在は廃刊、リクルート社)の2004年7月7日号に、上出恭子(当時は大橋)さんと一緒に取材を受け、「弁護士がスッキリ解決 「住まいの法律相談所」として掲載されたものです。
CASE3「上階の音がうるさすぎる!」
夫婦ふたり、静かな環境で暮らしたいと、防音性の高さをアピールしていたマンションを購入。しかしいざ入居してみると、上階に住んでいる人が、どこからどこへ歩いていくのか分かる位、足音が響く。ちょうど寝室の上が子ども部屋のようで、夜も満足に眠れない。これって我慢するしかないの?
防音性には、法的な規制がないので注意!
マンションの場合、工場からの騒音と違い、うるさいというよりも、部屋を歩く音など「聞こえることが苦痛な生活音」であり、おのような互いのプライバシーに関わるトラブルは少なくありません。
しかし、現時点では防音性(遮音性)に関する法的な規制はありません。遮音投球が著しく高い場合は問題となり得る余地がありますが、建物建築後の遮音性能の向上工事は容易ではありません。また、上階の居住者に対して「騒音の差し止め」等の裁判をしても、「受任限度」を超えていないとし、認められない可能性が高いと思われます。そのため、管理組合等を通じ、居住者が互いに注意し合うしかない場合が多いようです。