法律相談 Q&A 「住宅情報STYLE関西版」2004年7月7日号より
「住宅情報STYLE関西版」(現在は廃刊、リクルート社)の2004年7月7日号に、上出恭子(当時は大橋)さんと一緒に取材を受け、「弁護士がスッキリ解決 「住まいの法律相談所」として掲載されたものです。
CASE1「入居後、気が付くと隣の家が学習塾を開いていた」
周囲は閑静な住宅街で、落ち着いた環境が気に入って購入した神戸市郊外の低層マンション。しかし、入居した直後、なんと隣の家が小学生向けの学習塾を始めたではないか!エントランスには子どもの自転車がごちゃごちゃと並び、廊下には子どもの喚声が響きわたってウルサイ!住居専用マンションなのに、そんなことしてもいいの?!私の静かな暮らしを返して~!
「住宅専用」なら、原則として許されない
マンション法(区分所有法)では、区分所有者は、建物の管理または使用に関し、「区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない」とされています。どのような場合が「共同の利益に反する行為」に当たるかは、マンションの性格によっても異なります。まず、重要事項説明書の承認事項欄や管理規約及び使用細則を見てください。そこで、住宅専用としたり、学習塾やピアノ教室に使用することをはっきり禁止しているような場合は、原則として違法と言えるでしょう。もっとも、自分の子どもやその友人数名に静かに教えていて、近隣に迷惑をかけていないような場合は微妙です。最終的には、その塾の規模、人数、時間帯等や出入りに際しての話し声や行動等に迷惑行為がないかどうかなどを総合的に判断することになります。管理規約等を確認したうえで、管理組合の正規の会議で採り上げるとよいでしょう。