法律相談 Q&A 「住宅情報STYLE関西版」2004年7月7日号より
「住宅情報STYLE関西版」(現在は廃刊、リクルート社)の2004年7月7日号に、上出恭子(当時は大橋)さんと一緒に取材を受け、「弁護士がスッキリ解決 「住まいの法律相談所」として掲載されたものです。
CASE2「引き渡しまでに火事があり、滅失してしまった」
建売住宅を購入し、契約も無事終了。あと少しで引き渡しというときに、放火による火災が発生。建物の半分くらいが燃えてしまった! 家は焼けコゲてとても住めそうにないけど、契約を済ませた以上残金は払わなきゃいけないの?
引き渡し前なら、手付金は全額返還されます
通常、建物の引き渡し前に「地震、台風などの天災、火災などの不可抗力によって建物が滅失した場合には、その損失は売主が負担する」という「危険負担」という条項が契約書に盛り込まれています。もし、引き渡し前の建物が火事で燃えてしまっても、飼い主は代金を支払う必要はなく、既に支払いをしている手付金も返してもらうことができます。このような条項が契約書に明記されていなくても、その考え方の基本は民法に規定されており、同様の処理を求めることはできますが、万が一の場合にスムーズに事を進めることができるよう、契約書に「危険負担」の条項があり、その「危険負担」が引き渡しまで売り主にあるか、をご確認下さい。ただし、手付金の額が売買代金の10%(造成工事や建築工事が未完成の場合は5%)、または1000万円を超える場合は、保全措置は義務付けられません。今回のcaseは手付金が売買代金の10%以上なので、この措置が取られているはず。取られていないと、損害を受ける可能性がありますが、「倒産」といっても、事業を継続して予定どおり分譲が行われる場合もあります。弁護士等の専門家にも相談してみて下さい。