10月21日~23日の3日間、「クレオ大阪」の大ホールで、大阪憲法ミュージカル「憲法のレシピ」が1日2公演、計6公演行われました。2000人を超える観客が参加し、大成功のうちに終了しました。7人の共同代表の一人として嬉しく思うとともに、ご協力、ご観劇くださった皆さまに心から御礼を申し上げます。
今回の「憲法のレシピ」は、2016年・17年に上演された前作「無音のレクイエム」のいわば続編。大阪大空襲で焼け野原になった大阪の街を舞台に、闇市、食料不足、傷病兵の復員、戦災孤児、疫病の蔓延、若い女性の身売り、GHQの横暴などで苦しい生活を送る人々の中から自然と生まれてきた「もう戦争はイヤだ」「日本が外国に行ってひどいことをするのを止めなあかんかった」「戦争の実情を知らされず、自由にものが言えなかった」「女の人だからといって低くみられたくない」といった願いと、GHQの憲法草案づくりが響き合いながら、現在の日本国憲法が生まれていった過程を生き生きと描くものでした。
私が知る限り、このように民衆の立場・角度から日本国憲法の誕生を描いたものはなかったと思います。
「アメリカに押しつけられた憲法」といった批判が誤っており、日本国民が自ら選び取った憲法であることがよくわかるとともに、折しもロシアによるウクライナ侵略や、現在の中国、北朝鮮、台湾などをめぐる情勢の下で、75年前に日本が戦争放棄を宣言した意義や、今後進むべき道を考えさせてくれる内容でした。
ストーリーや台詞も素晴らしいものでしたが、劇中で歌われる歌も大変感動的なものでした。
その中で、エンディングで歌われた「変わらない約束」の歌詞を、ご紹介しておきます。
今後も憲法ミュージカルがやれるのか、いつやれるのか未定ですが、この感動が広がっていくことを願わずにはいられません。
~変わらない約束~ (作詞・小鉢誠治、作編曲・山下透)
一人一人の想いが
街を動かしていく 争いのない世界を 願いきめた約束
与えられた力 おごることなく
やさしさを信じている
それが約束の鍵
差し出した手のぬくもり
言葉がくれる勇気
水平線の上 誰も同じに
私たちは 歩きつづける
明日を生きる 命のために
私たちは すべてをかける
夢をかなえる その日のために
変わらない約束 守りつづけよう
変わらない約束 歌いつづけよう
(弁護士 岩城 穣)