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春告鳥 第13号
岩城弁護士の過労死問題最前線

◆2020年10月30日、「令和2年度過労死白書」が公表されました。過労死等の実態把握のための調査研究として行った、労災認定事案の分析、企業の労働者等に対するアンケート調査結果、疫学研究等の分析の報告などが紹介されています。厚労省のホームページで誰でも読めますので、ぜひご覧ください。

◆11月10日、「第17回過労死等防止対策推進協議会」が開催され、専門家委員の一人として参加してきました。今後の過労死防止対策についての意見交換の中で私は、2020年の春から急速に広がっているリモートワーク(テレワーク)とダブルワーク(複数事業就労)について、長時間労働や過労死防止の観点から、早急に実態調査・研究を行うとともに、厚労省・関係省庁の十分な対応を求める意見を述べました。

◆2020年6月から脳・心臓疾患(過労死)の認定基準の改定についての専門検討会が開始され、11月13日の第5回検討会では「長期間の過重業務における労働時間以外の負荷要因等」について議論が行われています。過労死弁護団は既に2018年5月に意見書を提出していますが、さらに過労死遺族の救済と過労死防止につながる改定を求める補充意見書の提出を検討中です。

◆過労死等防止対策推進法では毎年11月を「過労死防止啓発月間」とされていることから、昨年11月も全国47都道府県と中央会場の計48会場で「過労死防止啓発シンポジウム」が開催されました。私は今年度は奈良、大阪、香川の3会場で講演やコーディネーターを行いました。今回はコロナ感染拡大の影響を受け、定数が例年の2分の1~3分の1とされたことは残念でしたが、各地とも充実した内容でした。

                              (弁護士 岩城 穣)

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