早いもので、娘も年中さんになりました。それほど大きくない保育園だからか、主人も私も、年中さんクラスのお友達全員の名前が分かります。中でも0歳児の頃から共に成長してきたお友達には、思い入れが強く、その子たちの成長ぶりにも日々目を細めています。
今年に入ってから間もなく、0歳児の頃から知っているある男の子が、引越しに伴い、他の保育園に転園しました。急なお知らせで、かつコロナの影響もあり、お別れ会などもないままに転園となってしまったため、寂しいなぁ、ママの連絡先聞いとけば良かったなぁ、などと思っていました。
それから約一ヶ月後、私たち家族がたまたま出かけた先の公園で遊んでいると、その転園した男の子のご家族とバッタリ遭遇したのです。再会した二人の子供は大はしゃぎで走り回り、私が「そろそろ帰るよ。」と何回言っても知らんぷりなので、最終的に子らを追いかけて私や主人までもが一緒になって走り回る始末。主人がようやく両手で娘を抱え込んで車に乗せ、出発しようとした時、さっきまで走り回っていた、その転園した男の子がパパに抱っこされ、泣きながら、こちらを見つめてバイバイしているではありませんか。
私はその時から(勝手な)使命感にかられ、娘の通う保育園でママ達に声をかけ、連絡先を交換して、一緒にその転園した男の子と遊びに行こうとお誘いしました。結局、総勢13名でわいわい青空の下、遊ぶことに。その日は天候にも恵まれ、子供たちは大いに遊び、走り回りました。
あるママが、折り紙で作った手裏剣を大量に持ってきてくれていて、子供達は大喜びでそれを靴下の中とかズボンの中とか色んなところにいっぱい隠して、私に次から次へと投げつけました。うっかり大阪人精神を発揮して「うわーやられたぁー!」と私が呻きはじめると、子供達の手裏剣攻撃は加熱し、私はそこから小一時間、悪代官役として呻き続けることに。とても幸せなひと時でした。
その後、緊急事態宣言等が発出されて数ヶ月が経ちましたが、また折を見て、家族ぐるみで一緒に遊びに行きたいと思っています。
弁護士 安田 知央
(春告鳥第14号 2021.8.1発行)