能登に思いを寄せて(春告鳥第20号 巻頭言)

 暑中お見舞い申し上げます。

 令和6年1月1日に発生した能登半島地震から、7月1日で半年が過ぎました。地震による直接死と災害関連死を合わせた犠牲者は現在までに281人に上り、今も多くの方が避難され、なりわいを失った状態が続いています。改めて、亡くなられた方々に対し謹んで哀悼の意を捧げるとともに、被災された方々に、心からお見舞いを申し上げます。

 半年の節目に各社が当地の現状を報道していますが、伝わってくるのは遅々として復旧・復興が進んでいない状況ばかりです。鉄道や空港などは再開し、断水からは復旧しつつあるようですが、倒壊した家屋の解体作業はほとんど進んでおらず、輪島の朝市通りをはじめ、多くの場所で被災当日と変わらない光景が広がっています。

 もちろん、復旧がなかなか進まないのには、被害の甚大さや半島でアクセス手段が限られていることなど、様々な理由があるのだと思います。しかし、今も苦しんでいる方が大勢おられることを思うと、復旧・復興を前に進めるために国にはもっと何かできることがあるのではないかと思わずにはいられません。

 私は石川県出身で、能登半島は何度も訪れたことがある思い出深い地です。一日も早い復興を心から願っています。

 時節柄、みなさま十分にご自愛ください。

(弁護士 松村 隆志)

(春告鳥第20号 2024.8.3発行)