2019年1月1日

昨年の秋、大阪にビッグニュースが舞い降りました。2025年に大阪にて、1970年以来55年ぶりとなる万博が開催されることが決定しました。「70年万博」を経験した人をはじめ、期待する人も多いですが、単純に喜べない問題があります。
開催予定地の夢洲は、大阪がかつてオリンピックを招致しようと莫大な費用をかけて開発したものの失敗し、その後十分に活用されていないままになっている人工島です。この夢洲の万博開催予定地に隣接するエリアに「IR」を誘致しようとする計画が進められています。この「IR」とはIntegrated Resort(統合型リゾート)の略語で、カジノや劇場、ホテル、国際会議場、ショッピングセンターなどが一体となった民間事業者が設置、運営する施設のことを指します。周辺住民からはカジノによる治安の悪化などを懸念する声が上がっています。
IRの誘致だけ進めてもなかなか賛同が得られにくいところを、万博とセットで進めることによって、IRそのものの問題を浮き彫りにさせないようにしているのではないかと不安を感じます。万博は開催期間をもって終了しますが、カジノはその後も続くので、後者の不安がむしろ後世に影響を及ぼすかもしれません。万博だけでなくIR誘致の動向についても、注視していかなければなりません。
当事務所は依頼者の方に寄り添い、事件の解決に全力を尽くし、それを積み重ねることによって、これからを生きる子供たちにより良い未来を残す一助になりたいと考えております。
今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
(弁護士 安田 知央)
(春告鳥第9号 2019.1.1発行)