節分、豆まき、「鬼退治」雑感

2025年2月17日 

 2025年に入って、早1か月が過ぎました。

(1)皆さんは、「節分」と「豆まき」の由来をご存じですか?

 本来、春夏秋冬それぞれ立春・立夏・立秋・立冬の前日を「節分」と言いますが、江戸時代以降は年の初めの節分(立春の前日)に、一年の厄を祓う意味で主に「豆まき」を行うようになったそうです。

(2)次に、今年の節分は「2月3日」ではなく、「2月2日」だったということをご存じですか?

 地球が太陽を1周するのに365.242189日を要するため、1年365日のカレンダーとは6時間のズレが生じます。これを4年に1度のうるう年でリセットしていますが、それでも端数分のズレが残ってしまいます。そのため、立春は年によって3日や5日になり、それに伴って、節分の日付も変わるとのことです。

 実は2021年は何と124年ぶりに節分は2月2日だったようで、その後2021年から2057年までは4年ごとに2月2日が節分となり(今年もそれに当たります)、2057年と2058年は2年続けて2日となるようです。

(3)節分の豆まきでは、「鬼は外!」と言って鬼を追い出そうとします。しかし、鬼だから排斥していいのでしょうか?『桃太郎は盗人なのか? −「桃太郎」から考える鬼の正体−』という本を刊行した小学6年の倉持よつばさんは、福沢諭吉が「(宝物を奪った)桃太郎は盗人だ」と批判していたことも知り、桃太郎についての本を200冊も読んでみたそうです。すると、桃太郎の話は時代によって異なり、特に、鬼については

 ①江戸~明治初期は、鬼から宝物を奪っている
 ②明治末ごろから、鬼がみずから宝を差し出すようになっている
 ③昭和になると優しい鬼が出てくる

と、時代とともに非力になっていく様子を発見。いずれにしても鬼に落ち度はなく、「桃太郎盗人説」に共感を覚えたとのことです。

 同時に得体(えたい)の知れないものを「鬼」とすることで、日本人は昔から心の安定を図ってきたという結論にたどりついたとのことでした。

(4)ところで、アメリカの大統領に返り咲いたトランプ大統領はさっそく、「不法移民」の大量摘発・強制送還を始めました。米農務省によると、全米の農業労働者のうち、不法移民は実に4割を超えているとのこと。拘束作戦が続けば、農業が人手不足に陥り、多額の経済損失が生じるとの見方があります。

 トランプ大統領が「桃太郎」で、「不法移民」が「鬼」なのか。それとも、トランプのほうが悪い「鬼」なのか。いずれにせよ、アメリカ全土で悲鳴が飛び交い、分断が進み、「関税戦争」も相まって関係国のみならずアメリカ自身の経済も打撃を受けることは間違いありません。

 このように書いていたら、だんだんトランプ氏が虎皮の褌をはいた「鬼」に見えてきました(笑)。この鬼を退治するのは、いったい誰なのでしょう?

(いわき総合法律事務所メールニュース 春告鳥メール便No.73 2025/2/17発行)