公文書の読点に使われている「,」(コンマ)について、文化庁が見直しの検討を始めたとのことです。
1952年4月、当時の官房長官が各省庁の事務次官に通知した「公用文作成の要領」で、公文書は「なるべく広い範囲」で左横書きとし、句読点にはコンマと「。」(マル)を使う、と明記されたことから、法令や各団体への通知など公文書のほか、学校教科書でもコンマが使われています。しかし、要領に強制力はなく、一般社会、特にインターネットでは「、」(テン)の使用が広がり、公式サイトのトップページでコンマを使い続けるのは裁判所や法務省、宮内庁、外務省など一部にとどまっているとのことです。
現在、裁判所の判決書でも「,」(コンマ)が使われていることから、弁護士も訴状や準備書面で「,」(コンマ)を使う人が多くいますが、徐々に「、」(テン)を使う人が増えてきているように思います(私もそうしています)。
英語では「,」(コンマ)と「.」(ピリオド)を使うのに対して、日本語では「、」(テン)と「。」(マル)を使っているのですから、横書きの日本語に限って「,」(コンマ)と「。」(マル)を使うのは、よく考えると中途半端ですよね。
私としては、裁判所での文書も早く「、」(テン)に統一してほしいと思います。
(弁護士 岩城 穣)
(メールニュース「春告鳥メール便 No.19」 2019.12.3発行)