2019年4月19日、東京の池袋において、87歳の男性が運転する普通乗用車が150メートルほど暴走し、赤信号を2回も無視して歩行者をつぎつぎとはねるという事故が発生しました。
事故後、遺族の男性が記者会見を開き、「少しでも運転に不安がある人は車を運転しないという選択肢を考えて欲しい」「交通事故による犠牲者のいなくなる未来になって欲しい」と訴えられました。テレビに映る男性の姿は大変痛々しく、母を交通事故で亡くした私としては、胸が張り裂けそうな気持ちになりました。
この事故以外にも数多くの交通事故がテレビや新聞で報道されています。その中には被害者にまったく過失のないような事故もみられます。
交通事故の被害者は、加害者に対して損害賠償を追及することになりますが、損害賠償を求めるために要する弁護士費用は、かなりの負担となります。弁護士費用を支払うことができなければ、低い水準での示談に応じてしまうことになってしまいかねません。
もっとも、自動車保険や火災保険の特約として、「弁護士費用特約」を締結している場合、保険会社が弁護士費用を負担してくれます。年間数円程度で、300万円までの弁護士費用をカバーすることができるのです。また、契約者だけでなく、契約者の家族や同乗者についても保険会社が費用負担をしてくれることが多いです。
突然、自分や家族が被害者になるかもしれません。もしものときに備えて、弁護士費用特約を締結しておくことを強くお勧めしておきます。
(弁護士 稗田 隆史)
(メールニュース「春告鳥メール便 No.12」 2019.4.26発行)