昨年6月、東名高速道路であおり運転を受けて停車させられた夫婦がトラックに追突されて死亡した事故が発生しました。横浜地裁にて裁判員裁判が行われていましたが、12月14日に懲役18年の判決が言い渡されています。この事件では、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)の適用の有無が争われていましたが、裁判所はその適用を認めたということになります。
最近では、あおり運転という言葉をよく耳にするようになりました。テレビや新聞などでも取り沙汰されており、動画サイトではいくつもの動画がアップされています。 あおり運転の結果、相手を死傷させた場合は、最長で20年以下の懲役に処されることになり、運転免許は当然に取り消されます(欠格期間は5年~8年)。
非常に重い罰則が規定されていますが、そのことはあおり運転が如何に危険な行為であるかを意味しているといえます。自動車を運転している人の多くの方があおり運転を受けた経験があると言われており、警察の徹底した取り締まりに期待するしかありません。
もし、あおり運転を受けることになった場合は、冷静に対処し、どんなに腹が立っても無視し続けてください。安全な場所に避難することができたら、相手の車をやり過ごすようにしましょう。もし、停止させられた場合は、相手が車から降車して文句を言ってくることも考えられますので、絶対にドアを開けることはせず、すぐに警察に通報するようにしましょう。急いでいる用事があっても、自動車を運転するときは、ゆとりと譲り合いの精神で持つように心がけてください。
(弁護士 稗田 隆史)
(メールニュース「春告鳥メール便 No.8」 2018.12.27発行)