Q
勤務先の会社の不正を発見して、会社の公益通報窓口に通報しましたが、これを理由に不利益な取扱いをされないか心配です。法律ではどのように規定されているのでしょうか。
A
公益通報制度の趣旨は、国民生活の安心や安全を脅かすことになる事業者の法令違反の発生と被害の防止を図る点にあります。しかしながら、公益通報者が不利益な取扱いを受けるのであれば、そもそも制度を利用する者がいなくなり、制度自体が破綻してしまいます。そこで、公益通報者保護法は、公益通報者に対する不利益な取扱いを禁止し、令和2年改正(令和4年6月1日施行)により、不利益取扱いに対する事業者の措置を義務付けました(法11条)。
そして、消費者庁は、法11条規定の事業者が行うべき措置として、「公益通報者保護法第 11 条第1項及び第2項の規定に基づき事業者がとるべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針」を定め、その解説の中で、解雇、降格、減給のほか事実上の嫌がらせも含めて「不利益な取扱い」と規定し、これらを禁止しています。そのため、公益通報を理由として、通報者が不利益な取扱いを受けることはありません。同指針には、その他にも、事業者に義務付ける公益通報者を保護する体制の具体的内容についても記載されています。
更に、令和7年改正により、公益通報を理由とする解雇・懲戒をする者に対する罰則規定や通報後1年以内の解雇・懲役について公益通報を理由としてされたものと推定する規定など、公益通報を理由とする不利益な取扱いの抑止・救済の強化を図る動向も見られます。
実際に不利益な取扱いを受けた場合には、労働審判や民事訴訟など、裁判所での解決を図っていくことが考えられます。
ご不安なことがありましたら、当事務所までご相談ください。
弁護士 村西 優画
(春告鳥23号 2026.1.1発行)

