ゆうあい会 第3回総会(2018・3・3)のご報告

2018年6月29日

★2018年3月3日(土)、ゆうあい会の第3回総会が天満橋の「ドーンセンター」で開かれた。2016年4月の結成から丸2年が過ぎたことになる。
 今回は、昨年を超える45人の参加があった。
 総会は、当事務所の稗田弁護士と、ゆうあい会世話人のTさんの息の合った司会で進められた。

★最初に、副会長の中田進先生から開会あいさつがあり、これまでの総会の振り返りや本の紹介を笑いを交えてお話しいただいた。

 会場がほっこりしたところで、私のギター伴奏と安田弁護士の歌によるのミニコンサート。①翼をください、②あの素晴らしい愛をもう一度、③岬めぐり、④ぼくの夢、⑤365日の紙飛行機の5曲を、参加者の皆さんとも一緒に歌った。

★次に、長年にわたって地域医療に携わってきた耳原高石診療所所長の松葉和己先生が、「上手な病院のかかりかた 医師・患者関係の変遷をふまえて」と題して講演をしてくださった。

 松葉先生は、医師と患者の会話の例などを挙げながら、医師の専門用語を使った説明をよくわからないまま聴いている患者が多いこと、患者─医師の関係が変化してきていること、インフォームド・コンセント(説明に納得し合意した医療)、根拠に基づく医療(EBM=evidence based medicine)の登場、過剰な「お客様扱い」の風潮、患者との対話と信頼関係の重視(NBM=narrative based medhicine)などについてわかりやすく説明されたうえで、上手な病院のかかりかたとして、①かかりつけ医を持つ、②話しやすいムードのある委員を選ぶ、③症状を予めメモにまとめておく、④異文化を許容してくれる医師を選ぶ、⑤質問・疑問は遠慮なく言う、⑥専門医を紹介してほしいと遠慮なく言う、⑦自己診断はしない、という7点を挙げられた。

★続いて、ゆうあい会の会長でもある関西大学名誉教授の森岡孝二先生が、「日本人はどれほど働きすぎか ~労働時間の国際比較から考える~」と題して、ミニ講演を行った。

 森岡先生は、冒頭に、「遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん、遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動がるれ。」という「梁塵秘抄」(平安末期の歌謡集)の一節や、「人間的教養のための、精神的発達のための、社会的役割を遂行するための、社会的交流のための、肉体的及び精神的生命力の自由な活動のための時間」こそが自由時間であるという「資本論」の一節などを紹介して、長時間労働がいかに人生をつまらないものにするかを問いかけた。そのうえで、減らない過労死と増え続ける過労自殺、「男は残業・女はパート」の日本的働き方、長時間労働者の比率は日本と韓国がダントツで多いこと、政府の「働き方改革実行計画」は法定労働時間をいっそう空洞化して、過労死を生む長時間労働を温存することなどを、グラフなどを示しながら話された。

★総会議事として私から活動報告、会計報告とともに、活動方針案、役員改選案の提案を行い、これについて質疑と採択が行われた。

★最後に、副会長の寺西笑子さんから、働き方改革についての国会議員に対するロビー活動の報告を含めた、元気いっぱいの閉会あいさつがなされて、総会は終了した。

★場所を移して「志な乃亭」で行われた懇親会には30名の方々が参加した。地下のお座敷は貸し切り状態で、どのテーブルも笑いが絶えず、また、松葉先生をはじめ参加者全員が自己紹介と感想を述べあうなどして、和気あいあいとした楽しい時間を過ごした。
 参加してくださった皆様、ありがとうございました。
 3年目に入ったゆうあい会を、よろしくお願いいたします。

弁護士 岩城 穣(「いわき弁護士のはばかり日記」No.350 2018年6月29日)