今月12日、大阪府の富田林警察署にて、強盗致傷等の罪で起訴された男性が逃走するという事件が発生しました。この男性は、弁護士との接見を終えた隙を狙い、接見室内のアクリル板を押し開け、警察署の裏口から逃走を図ったとのことです。
男性の行為は、刑法第98条の「加重逃走罪」(かじゅうとうそうざい)に該当することになり、3か月以上5年以下の懲役に処せられる可能性があります。施設の一部を破壊していますので、何も破壊せずに逃走した事案に比べてより重たい罪を犯したこととなります(施設の一部や拘束具を破壊せず、単に逃走しただけの場合は、「逃走罪」(刑法第97条)が成立するにとどまり、1年以下の懲役に処されます。)。既に起訴されている犯罪で有罪が下された場合は、より長期の実刑が科されることになるでしょう。
警察が、男性の行方について懸命に捜査をしているようですが、半月以上が経過してもいまだ見つかっていません。起訴されている犯罪の内容からして、男性が切羽詰って自暴自棄になる可能性もなくはないと思います。一刻も早く、逮捕されることを望みます。
(弁護士 稗田 隆史)
(メールニュース「春告鳥メール便 No.4」 2018.8.31発行)