娘の通っている保育園では、月に1回(夏期を除く。)、「お弁当の日」があります。いつもは園の手作り給食が出るのですが、月に1回の「お弁当の日」は給食が出ず、もしお弁当を持参しなければ、その日の昼食はありません。うっかりお弁当を忘れてしまうと大変です。
私は個人的にお弁当にあまりいい思い出がありません。仕事を持っていて忙しく、たいそう朝が苦手だった母が作るお弁当は、適当の極みでした。二段弁当の二段目に、前日の晩御飯のおでんの具が3つほど入っており、お弁当のふたを開けた瞬間に、横にプルンとスライドしたこんにゃくの姿は忘れることができません。おでんの汁気が、どのようになっていたかは言うまでもありません。
私が子供にお弁当を作るときにはこうしたい、という個人的な思い入れを持ってしまっているためか、余計な肩の力が入りすぎてしまいます。
先輩のママ弁護士の先生から、要領のいいお弁当作りテクニックを教わったりして、少しずつ時間短縮ができるようになってきましたが、それでもまだまだ時間がかかります。おそらく作りすぎているのだと思います。
私の娘はとっても食いしん坊で、盛りだくさんのお弁当を持たせてもいつも完食してくれます。すると限界を探りたくなってしまうのか、毎月少しずつお弁当のおかずをプラスしていってしまい、最近ではお弁当に追加のおにぎりまで持たせるようになりました。
ですがつい最近のお弁当の日、盛りだくさんのお弁当に追加のおにぎりも持たせたところ、その日の保育園のノートに、「たくさん入っていたからか、なかなかお弁当を食べ終えることができず、その後の絵本タイムに間に合わなくて、ひとり大泣きして食べていました。」と担任の先生からのコメントが記されていました。この日も見事完食だったのですが、娘が最後泣きながら食べていたのかと想像すると、私まで泣きそうになりました。
娘にとってちょうどいいお弁当を求めて次回からまた(頑張りすぎず)頑張ろうと思います。子どもの成長とともに、私も成長させてもらっていることを日々感じる今日この頃です。
弁護士 安田 知央
(春告鳥第11号 2020.1.1発行)