安田ママの子育て奮闘記 ~お芋掘り~

 今年の9月に、兵庫県の丹波地方へ家族で旅行に出かけました。宿泊施設周辺で、お芋掘りができるというので参加の申し込みを済ませ、集合場所として指定された現地に行くと、そこは掘り返された痕跡ばかりが目につく荒地でした。お芋掘りの案内人らしき人が到着すると案の定、連休中にここは掘り尽くされてしまったので、近くの農家さんのところへ移動しますと告げられました。一同ぞろぞろと歩き始めたのですが、なかなか目的地に着きません。20分ほど歩いてやっと到着したところは、子どものお遊び用のお芋掘り場ではなく、辺り一面に緑が広がる畑でした。

 農家のお母さんと一緒に、鎌でツルを刈って、大量のツルの束を運び出し、ようやくお芋掘りスタート!子供たちは軍手を手にはめると、スコップなんかそっちのけで、小さな手で、まるでモグラのように土を払いのけて、お芋を掘り起こしていきます。

 次第にサツマイモのてっぺん部分が見えてきました。子ども達は歓声をあげながら、さらに手で土を払いのけていきます。高さ4cmほどサツマイモを掘り起こせたら、今度は引っこ抜こうとお芋を引っ張り上げます。ところが、抜けません。びくともしないのです。それでは、と言わんばかりに大人が登場して一緒に引っ張りあげます。ところがやっぱり抜けません。いろんな大人が次々に手伝っても引っこ抜くことはできず、あの絵本の「おおきなかぶ」さながらの様子でした。

 引っ張るのをやめて、さらに掘り起こすことにしました。掘っていくうちに、見たこともないほど大きなお芋が姿を現してきました。最後に引っ張り上げて抜け出てきたのは、全長25cmほど巨大なサツマイモ。なかなか引き抜けなかったことも頷けます。子ども達も大はしゃぎでした。

 自然の恵みとともに、家族の秋の思い出も大きく実った一日となりました。

弁護士 安田 知央

(春告鳥第13号 2021.1.1発行)