2014年5月28日
2014年5月27日午後1時からの衆議院本会議で、過労死防止対策推進法案(過労死防止法案)が可決されるのを傍聴した。
昨年、参院の厚生労働委員会を傍聴したことはあったが、本会議を傍聴するのは初めて。紹介議員が必要だったり、持ち物が厳しくチェックされる(ハンカチと貴重品以外は、携帯電話もカメラも一切持ち込めない。)のは、国民主権の理念からは多少抵抗感があるが、いろいろな危険を考えるとやむを得ないのだろう。傍聴席は高い2階にあり、広い議場全体が見渡せるようになっている。30人近い私たちのグループはまとまって傍聴席に陣取った。寺西さん、中原さん、西垣さんはそれぞれ遺影を胸に抱いて座った。両脇から、たくさんのカメラがこちらに向けられている。
午後1時、次々と議員たちが議場に入ってくる。議連代表世話人の馳浩議員をはじめ、お世話になったたくさんの議員がいる。中には微笑んでくれたり、手を振ってくれたりする方もいる。心なしか、皆さん晴れやかな表情に見えた。
厚生労働委員会から満場一致で上がってきているので、厚生労働委員会の後藤茂之委員長が趣旨説明をしただけで、あっさりと可決されたが、その重みは、ずしんと来るものがあった。遺族たちに向けられたカメラのフラッシュが激しく光る。みんな目に涙をためていた。
終了後、午後3時から記者会見。これまでにないほど、たくさんの記者が集まってくれた。これまでいくつもの記事を書いてくれた記者さんたちの笑顔を見ていると、これまで一緒に取り組んできた仲間のように感じた。
当然のことながら、これまでになく多くの新聞・テレビが報道してくれた。
これからまだ、参議院の厚労委員会と本会議が残っている。大きな障害はないと思うが、会期末が6月22日(この日は日曜なので、実質は6月20日までであろう。)に迫っているので、間に合うかだけが気になるところである。
参議院本会議での可決・成立の瞬間を見に来るのは、ちょっと難しそうである。大阪の地で、歴史的な瞬間を待ちたいと思う。
弁護士 岩城 穣(「いわき弁護士のはばかり日記」No.190 2014年5月28日)