「大阪過労死家族の会」が「第12回大阪弁護士会人権賞」を受賞!

2012年12月31日

◆「大阪過労死を考える家族の会」(略称:大阪家族の会)は1990年(平成2年)12月に結成され、満22年を迎えた。1988年(昭和63年)に「過労死110番」が開設され、過労死の相談や労災申請が激増する中で、過労死遺族同士が互いに励まし合い協力し合って、過労死遺族・本人の救済と、過労死の予防に取り組むことを目的として結成された。
 翌1991年には、各地の家族の会が集まって「全国過労死を考える家族の会」が結成され、毎年11月の厚生労働省要請などを行っている。

◆ 大阪家族の会の結成当時私は弁護士3年目であったが、大阪過労死問題連絡会の月1回の例会で、「過労死遺族の人達自身の組織が必要ではないでしょうか」と提案したところ、「それはいいことだ。君が中心になって準備しなさい」との指令が出され(笑)、当時相談中や労災申請中の過労死遺族約60家族に案内を出した。そして12月8日、17家族、約60名が参加して「会」が結成されたのである。

 その後、数年間の模索期を経て、組織として自立し、数的にも質的にも大きく発展してきた。毎月1回の例会や世話人会は、私の事務所で行っている。
 最近では、全国家族の会の代表でもある京都の寺西笑子さんが原告である「過労死企業名公表裁判」と「過労死防止基本法」制定のための取り組みに、全国家族の会の中心となって頑張っている。

◆大阪弁護士会は平成13年度から、社会的弱者の人権擁護活動等を行っている個人、グループ及び団体で、近畿地区に住所、事務所または活動の本拠を置くものに、毎年「人権賞」を授与している。
 私はかねてから、大阪家族の会としてこの賞に応募してはどうかと願ってきたが、今年ついに応募が実現し、数回の審査を経て、この12月21日付けで「受賞通知」をいただくことができた。
 来年1月22日(火)午後5時30分から、大阪弁護士会館2階ホールで授賞式が行われることになっている。

◆寺西笑子さんとは、過労死防止基本法の取り組みで二人三脚で活動しているが、今年の目標として、①過労死防止基本法の制定、②過労死企業名公表裁判の勝訴、③この人権賞の受賞の3つを実現したいですね、と話し合ってきた。
 ①はまだ道半ばであり、②は残念ながら11月29日大阪高裁で逆転敗訴し、舞台は最高裁に移っている。
 そんな中で、年も押し詰まった最後に③の受賞の朗報が届いたのである。
 本当にうれしく、感無量である。
 来年は、①・②も合わせて勝ち取る年にしたいと思っている。

 ※写真上‥全国過労死家族の会のリーフレット
  写真下‥人権賞の授賞通知書

「岩城弁護士のはばかり日記」No.103(2012年12月31日)より>