「過労死防止基本法」制定へ巨大な一歩──「制定を願う集い」に270人、溢れる熱気

2012年6月16日

 6月6日、衆議院第1議員会館で行なった院内集会“ストップ!過労死 「過労死防止基本法」の制定を願う集い”は、大会議室をほぼ埋めつくす270名が参加し、熱気溢れる集会となった。

 とりわけ今回の集会で特筆されるのは、次の4点である。
① 当日までに21万5000を超える署名が寄せられた中で開かれたこと。
 署名運動が本格的に始まった1月下旬から3か月後の4月19日に10万人を突破したが、そのわずか1か月半後には20万人を突破して、この日を迎えることができた。

② 幅広い政党から、国会議員ご本人の参加(秘書同行を含む)27名、秘書のみの参加27名、合計54名の議員の方々が直接・間接に参加して下さったこと。
 国会終盤で、議員の皆さんは超ご多忙にもかかわらず、驚くほどたくさんの議員ご本人が駆けつけて下さり、また議員がご都合の悪い場合でも、秘書の方が来て下さった。

③ 過労死・過労自殺の遺族がたくさん参加され、うち9名の方が、自分の辛い体験を踏まえて過労死防止基本法の必要性を訴えて下さったこと。
 大切な家族を過労死・過労自殺で失った遺族の願いが、この「過労死防止基本法」なのである。
 (遺族の訴えの要旨は、実行委員会のホームページ(ブログ)で読むことができます)

④ 集いの開催中に、小宮山洋子厚生労働大臣と直接面談する機会が与えられ、大臣から、基本法について前向きな評価と激励をいただいたこと。
 午後3時30分~45分の15分間という短い時間であったが、遺族の皆さんの宿願がついに実現した。小宮山洋子厚労大臣は、NHKの解説委員・アナウンサー時代に過労死問題を取り上げたこともあるとのことで、過労死防止基本法の法案が出されれば、厚労省として真摯に対応することを約束してくれるとともに、私たちの取り組みを激励して下さった。

 今回の集いの成功によって、過労死防止基本法制定の取り組みは新しい段階に入ったのではないかと思う。
 私たちはこれをうれしく思うと同時に、一方で、責任の重大さもをひしひしと感じる。
 基本法の実現に向け、これからいっそう頑張っていきたい。

 ※写真(上から順)(クリックすると拡大されます)
  ①「願う集い」で発言する森岡孝二実行委員長
  ②会場の一番前に積み上げられた、20万人分の署名
  ③実行委員会の代表団と小宮山厚労大臣との面談

「いわき弁護士のはばかり日記」No.78(2012年6月16日)より(一部修正)>