1月14日、岡山県社会保険労務士会主催(正確には「岡山支部」の主催だが、県内の他の支部からも参加できるもの)の研修会で講演をさせていただいた。
会場は100人を超える参加者でほぼ満席であった。県の社労士会の総会の参加者より多いそうで、研修会としては前代未聞の参加者数とのことであった。
「過重労働・精神疾患をめぐる労働問題セミナー」と題する研修で、次の4部構成でお話をさせていただいた。
序 論 過労死・過労自殺の悲惨さ・異常さと「過労死防止基本法」
第1講 「ブラック企業」と言われないために~労働における企業のコンプライアンス~
第2講 精神疾患・過労自殺の基礎知識
第3講 過労死・過労自殺と企業の民事責任
申込み者が多く、関心が高いようだと事前に聞いていたので、私なりに頑張って準備をし、相当な量のレジュメと資料を用意した。
そのうえで、当日は、具体的な事例や判例なども紹介しながら、できるだけ私の言葉で話そうと努めたつもりである。
やや序論が力が入り過ぎ長てくなってしまったが、最終的には時間内に納まり、またいくつか質問もしていただき、いい感じで終われたと思う。
その感想は、参加者の皆様に委ねるほかないが、お聞きした範囲では、「具体的でわかりやすかった」「大変勉強になった」という感想をいただき、ほっとしている。
会場で、私が出版に関与した「就活とブラック企業」(岩波ブックレット)と「過労死・過労自殺の救済Q&A」(民事法研究会)も販売していただいたが、どちらもたくさんの方が購入して下さった。
また、終了後の懇親会にもお招きいただき、岡山県社労士会の廣瀬信博会長、難波英一事務局長をはじめとするベテランの方々や、若手の社労士の皆さんとお近づきになれて、とても光栄であった。
講演の中でも述べたが、私は、現在の日本の労働分野でのコンプライアンスの実現のためには、顧問弁護士もさることながら、労働現場の実情を最もよく知っている社労士の皆さんの役割が非常に大きいと思っている。基本的には使用者サイドに身を置きながらも、その企業の健全な発展やコンプライアンスの立場から、時には経営者に煙たがられることも進言できるのは、社労士しかいないのではないかと思うのである。
参加者の皆様には、過労死防止法の署名用紙、リーフレットと返信用封筒も配布させていただいた。
社労士の皆さんが顧問先の企業に署名の協力依頼をしていただけたら、これに勝る喜びはない。
なお、最後になったが、県会の事務局の皆さんには、レジュメや資料の印刷などで大変なご負担をおかけし、また、今回の講師として私を紹介して下さった久保利子先生にもずいぶん心労をおかけした。深くお詫びするとともに、心から感謝を申し上げる次第である。