過労死防止全国センター事務局長 岩城 穣(弁護士
2014年10月29日、東京・四ツ谷の主婦会館エフプラザで、「過労死防止全国センター」(正式名称:過労死防止等対策推進全国センター)の結成総会が行われた。
このセンターは、これまで過労死防止法の制定を求めて活動してきた「実行委員会」を発展的に解消し(8月23日解散総会)、過労死の防止を願う民間団体・専門家との協力共同と、過労死防止の責務を負う国・地方公共団体との連携の「要」となることをめざすものである。
この日の結成総会には、果たして何人が来てくれるか心配であったが、座りきれないほどの113人が参加し、会場は熱気に包まれた。
森岡孝二先生の開会あいさつ、厚生労働省の過労死等防止対策推進室の鈴木英二郎室長のあいさつに続いて、私が法律制定までの経過と、制定後この日までの経過について報告した。
記念講演をして下さった精神科医・粥川裕平先生の「過労死・過労自殺と精神医学」と題するお話は、「睡眠不足によりうつ病や心臓病が増加する」、「偉大な仕事・良い仕事をする人がうつ病になる」(リンカーン、チャーチル、オードリー・ヘップバーン、ハリソン・フォード、エマ・トンプソン、ジム・キャリーなど)、「うつ病も回復すれば良い仕事ができる」など、大変面白く、勉強になった。
続いて、川人博弁護士から「今後1年間の基本方針(案)」が提案された。
「11月啓発月間へのとりくみ」、「大綱づくりへのとりくみ」、「学校教育へのとりくみ」、「調査研究のとりくみ」、「人材育成と連携」、「法制上、財政上の措置」、「会員の確保」、「健全な財政の確保」のほか、最後に「会員の健康に留意した活動」を挙げられたのが印象的であった。
センターの規約案を採択した後、役員の選出が行われた。代表幹事には森岡孝二(関西大学名誉教授)、川人博(過労死弁護団全国連絡会議幹事長)、寺西笑子(全国過労死家族の会代表)の3人が共同代表として就任し、私は事務局長に就任することになった。
その後、「設立宣言」を、兵庫の若手弁護士の井上智志さんが読み上げ、拍手で採択された。
最後に、代表幹事の一人に選任された寺西笑子さんが力強く閉会あいさつを行い、閉会となった。
初めて結成された団体で、具体的にどのような活動をしていくか、全く手さぐりであるが、過労死の予防と救済を願うすべての皆さまの力を集めることができるよう、がんばっていきたい。
<新ストップ!過労死 全国ニュース創刊号(2015年2月18日発行>