欠陥住宅をなくす大きな力に─欠陥住宅全国ネット」のあゆみを振り返って

 欠陥住宅全国ネット(欠陥住宅被害全国連絡協議会)は、1996年12月、阪神大震災で深刻な被害を受けた被災地神戸で、欠陥住宅被害の救済と予防を目的として、弁護士・建築士・研究者・市民の有志によって結成されました。私は当時日弁連消費者問題対策委員会に設置されていた土地住宅部会の一員として、この結成に加わりました。

 その後全国ネットは、各地で「大会」を開きながら、その開催地に地方組織である「地域ネット」を立ち上げる、という形で運動と組織を広げてきました。
 私は97年10月の「関西ネット」結成後1年余り、同ネットの事務局長を務めた後、99年5月の広島大会で全国ネットの事務局長に就任し、この5年間頑張ってきました。2000年5月の札幌大会からは、当事務所事務員の根木原知子さんも、全国ネットの事務局として私と一緒にネットの運営に関わってきてくれました。

 全国ネットではこの間、公的検査の必要性、建築に関与する建築士の責任、住宅品質確保法(品確法)の検討、「欠陥住宅110番」やシックハウス問題への取り組みなどを行ってきました。
 そして、会員数は1000人近くになり、01年5月に開設したホームページのアクセスはすでに7万件を超えています。
 このように全国ネットが大きく成長し重要な役割を果たしてきたこと、弁護士として、事件活動以外にこのような活動分野を持てることを、大変うれしく思っています。
 今は、唯一、地域ネット未結成の北陸3県に地域ネットを結成し、念願の「全国制覇」を果たすことを夢見つつ(親しい仲間からは「信長の野望」と冷やかされていますが)、もうしばらくの間、頑張っていきたいと思います。

欠陥住宅全国ネット  大会と地域ネット結成のあゆみ

1996・12(1)神戸(結成総会)
1997・3(2)仙台 
   7(3)福岡 
   10 「関西ネット」設立
   11(4)東京 
1998・4(5)京都「京都ネット」設立
   11(6)和歌山「和歌山ネット」設立
1999・5(7)広島「広島欠陥住宅研究会」設立
「神戸NET」設立
   11(8)愛知「愛知ネットワーク」設立
2000・5(9)札幌 
11(10)北九州「九州ネット」設立
2001・5(11)秋田「東北ネット」設立
11(12)横浜「関東ネット」設立
2002・5(13)岡山「中四国ネット」設立
11(14)鹿児島「九州ネット南九州支部」設立
2003・5(15)札幌「北海道ネット」設立
11(16)長野「甲信越ネット」設立
2004・5(17)高知 
11(18) ? 

【弁護士 岩城 穣】(いずみ第17号「弁護士活動日誌」2004/8/1発行)