前号の「オアシス」で紹介したように、昨年11月、「ストップ!過労死 過労死防止基本法制定実行委員会」が結成され、私はその事務局長として活動している。
「100万人署名」の取り組みは、ようやく25万人に達したが、まだ4分の1である。この「いずみ」の読者の皆さんからもたくさんの署名を届けていただいた。心からお礼を申し上げるともに、いっそうのご協力をお願いしたい(なお、署名用紙・リーフレットは事務所にもある、署名用紙は実行委員会のホームページ(http://www.stopkaroshi.net/)からもプリントアウトできる)。
5月21~25日は、東京に4泊5日で滞在し、国会議員への要請活動などを集中して行うことにした。もちろん、こんな経験は初めてである。面談できた議員さん本人は7人、秘書は15人。ほとんどの政党の方と会うことができた。
お会いした議員の皆さんの多くは30代、40代で若く、フレッシュで活動的だった。「国会議員のセンセイ」というと、一癖も二癖もありそうな年配のオジサンというイメージが強かったが(もちろんそんな人もいるが)、ずいぶんイメージが変わった。
そんな準備も経て、6月6日に議員会館で行われた「過労死防止基本法の制定を願う集い」という院内集会は、定数300人の大会議室がほぼ満席になり、大盛況となった。しかも、ほとんどの政党から国会議員本人が27人、秘書(代理)が27人も参加してくれたのである。
さらに、その途中で、実行委員会の代表団が小宮山洋子厚生労働大臣と直接面談できる機会ができ、初めて大臣室なるものに入った。小宮山厚労大臣はさすが元NHKアナウンサーだけあってお話も流暢で、過労死防止基本法に賛意を示してくれた。
大阪では地方自治体への働きかけも始まっており、この6月には、高槻市議会と八尾市議会で全国に先駆けて「過労死防止基本法の制定を求める意見書」が採択された。
一つの法律を、自分たちが提案して作るというのは、本当に大変だということがよくわかった。しかしながら、ここまで来た以上、先輩格の「自殺対策基本法」や「肝炎対策基本法」の制定にも学びながら、何としても「過労死防止基本法」を実現したいと考えている。
【弁護士 岩城 穣】(いずみ第32号「弁護士活動日誌」2012/8/1発行)