法務局で自筆証書遺言書の保管が可能に

 法務局における遺言書の保管等に関する法律(平成30年法律第73号。以下「遺言書保管法」といいます。)により、2020年7月10日から、法務局で自筆証書遺言書を保管してもらえるようになります。

 自筆証書遺言は、遺言者が単独で遺言を完成させられることから、比較的簡便な遺言作成の方法です。しかし通常、遺言者は自筆証書遺言を作成したあと、その遺言を見つかりやすい場所には置いておかず、入念に隠すものです。その結果として、遺言者が亡くなった後、相続人が遺言者の隠した遺言書を見つけられない等のリスクがありました。

 そこで、法務局で自筆証書遺言の保管が可能になる新制度の利用が期待されています。

 遺言者は自ら管轄の法務局に出向き、封のされていない法務省令で定める様式に従って作成された自筆証書遺言を法務局に保管してもらうよう申請することができます。

 相続人や受遺者は、遺言者が亡くなったあと、遺言者について、自らが相続人、受遺者等となっている遺言書が遺言書保管所に保管されているかどうか、照会することができ(遺言書保管事実証明書の請求)、またその遺言書の内容を閲覧したり、遺言書の画像情報等を用いた証明書を求めたりすることもできます(遺言書情報証明書)。

 自筆証書遺言の保管の申請をするにはどこの法務局に行けば良いのか、また法務省令で定められた様式とはどのようなものなのか、遺言の作成等には専門家への事前の相談が肝心です。

 是非お気軽に弊所までお問い合わせください。

(弁護士 安田 知央)

(メールニュース「春告鳥メール便 No.21」 2020.2.4発行)