自筆証書遺言は、作成するのに色々とルールがあって、きちんと完成させるのが意外と大変なんです。今回はそのルールの一つをご紹介します。
自筆証書遺言は、遺言者が全文・日付・氏名を自署し、押印して作成しなければなりません。日付とは年月日のことであり、たとえば「平成30年4月15日」のように明確に記載されなければならず、年月日のいずれかが欠けた遺言は無効です。
最高裁判所は、「平成30年4月吉日」と記載されているだけの場合、暦上の特定の日を表示するものとは言えないから、そのような自筆証書遺言は、日付の記載を欠くものとして無効と判示しました(最判昭和52・11・29)。
そのほか、自筆証書遺言は加除・訂正の方法もややこしいので、ご作成の際は弁護士などの専門家にチェックしてもらうことをお勧めします。
(弁護士 安田 知央)
(メールニュース「春告鳥メール便 No.1」 2018.5.25発行)