「過労死等防止対策推進法」(過労死防止法)が施行2年目を迎え、2回目の「啓発月間」となった昨年11月以降、全国都道府県で国主催でシンポジウムが行われています。
また、これ以外に、国が後援して自主開催でシンポを行う県が現時点で9県あり、これらの県でも来年度は国主催で行われる見通しです。
国の主催とはいっても、シンポの内容、講師、遺族の発言、各種団体への後援・協力依頼などは基本的に私たち過労死防止センター、過労死家族の会、過労死弁護団などに任されています。中にはミニコンサートを取り入れたり(宮城県)、過労自死をテーマにした寸劇を行う(和歌山)など、創意をこらした取り組みもなされました。
私は昨年月には、大阪(11月9日)、島根(11月21日)、和歌山(11月24日)、岡山(11月28日)の4府県のシンポ(いずれも国主催)に参加して、基調講演やパネルディスカッションのコーディネータなどをさせていただきました。
特に、私の地元の大阪会場では207名もの参加者がありました。おそらく大半が企業の人事・労務担当者と思われます。過労死遺族の話を聴いて涙ぐむ参加者もあちこちで見られました。このような部署の方々に過労死防止策について学んでいただくことの意義は大変大きいと思います。
今年に入って以降も、大分(1月17日、国主催)、徳島(3月26日、自主開催)に参加させていただく予定です。 せっかくお声をかけていただいた以上、私のできる限りのお話をさせていただき、参加者の方々が、それぞれの会社や関係団体で過労死防止の取り組みを進めていただけるように努めたいと思います。また、地元の皆様とも親しくなり、近い将来、その地域の過労死防止センターや過労死家族の会の結成にもつなげていければと思っています。
(弁護士 岩城 穣)
(春告鳥第3号 2016.1.1)